何でもよかった。
お前を護れるなら、何でもよかったんだぞ、と。
「ハァ?結婚するぅ?」
『ええ、父の勧めでね。…っても、結婚を前提にしたお見合いっていうだけ。……どう思う?』
答えは決まってるだろ。NOだ。
「お前、俺のモンだろ、と」
ああ、どうしてこういう言い方しか出来ないんだろうか、と。
素直に、お前を愛しているんだ。だから、俺しか見ないでくれって言えばいいのにな、と。
電話の向こうで彼女は多分、ふっと微笑んだ。
『……相手に逢ってからにするわ。それで決める。父の為にも、家の為にもなるんだと思ったら結婚しちゃうかも知れないわよ?』
「それは困るな、と」
くすくすとようやく彼女は笑った。
「俺と一緒に逃げてくれないか、と」
一瞬の沈黙の後
『逃げてくれるの?』
そして俺達は手と手を取り合って逃げたんだ、と。
なのに。
「あのお見合いの相手って、レノだったのよね」
「は!?」
「レノがどれだけ度胸あるか試したの」
そういって笑った彼女の栗色の髪の毛が風に揺れた。
FIN
お礼拍手1作目。
相手はお嬢ですね。しかも意味不明作品(笑)
しかし、手と手を取り合っても逃げれるところなんて決まってるのに!レノったら(笑)