冗談じゃない。
ここまで来て逃げ切れずにどうする!
「もうギブアップかい?」
「……ひ弱そうなくせに体力に自信あるのね……っ!!」
「そりゃ、風紀委員長として鍛えてるからね。じゃあ、一分のインターバルをあげよう。
このまま捕まえても面白くないからね」
にこりと笑って腕時計のタイマーをセットした雲雀が言う。
私は。
息を整えてその一分のインターバルの間に何処まで逃げ切れるか、校舎内を疾走した。
ルールは簡単。
雲雀から五時までにこの学校の敷地内から逃げれれば私の勝ち。
逃げ切れなければ私の負け。何でも一つ言うこと聞いてあげる。っていう言葉に惑わされた私が馬鹿だったんだ…!!
「もう少しで校門…!!」
一歩でもいい。
外に出れればそれで。
「お見通しだよ?」
「…なっ」
思わず私は口をパクパクさせて。
「本当に素直に校門の方へ行くんだもんなぁ。流石の僕もびっくりしたよ。
あの場所からなら裏門の方が近かったんじゃない?」
はい、タッチ。と簡単に腕をつかまれて私はへなへなとその場にしゃがみ込んだ。
「……卑怯よ」
「何が?」
「雲雀の馬鹿!」
「負けは負けだからね。……さーて何言うこと聞いてもらおうかなぁ」
妙に楽しそうな雲雀に思わず私は笑っていた。
FIN
拍手お礼小説6作目。
ジャンルはREBORN
伽藍堂にて小説執筆中です(笑)